【ビジョントレーニング】ビジョントレーニングで近視って治るの??

こんにちは、視能訓練士 ちひろです。

🍉子どもたちは待ちに待った夏休みですね☀ 皆様、いかがお過ごしでしょうか🌊

オリンピック/パラリンピックがはじまりました!!

近年、各スポーツ界で、ビジョントレーニングが盛んに取り入れられています。

学校などの教育現場でもビジョントレーニングを勧めている先生もいらっしゃるようです。

ビジョントレーニングを提供しているEYEX’にも、子どもやアスリートがたくさんお越しいただいております。

2019出版 小松 佳弘著 こちらより購入できます

2020〜新型コロナウィルスの影響で、引きこもり生活を強いられ、近視が急に進んだ!と訴える子どもが増えているように感じます。

そこで、よくお問い合わせいただくのが、『目が良くなりますか?』

日本では目の良し悪しを視力で判断する傾向にあります。

ここでの質問は『近視が治りますか?』と解釈して、お話を進めていきたいと思います。


『近視が治りますか?』

答えは『NO』

残念ながら、ビジョントレーニングで近視を治すことは難しいと考えられます。


まず構造から見てみましょう。

屈折異常(近視遠視乱視)は主に角膜のカーブ(黒目の形)と眼軸長(目の長さ)で決まります。

網膜より手前に焦点がある状態を近視といいます。

角膜はケガや手術等をしない限り生まれつきのもので、変化が少ない組織です。
しかし、眼軸長は成長期に身長が伸びるのと同じように
大きく(長く)変化することが一般的です。

これにより成長期に近視が進みやすくなる、というわけです。

 

 

 

 

 

 

 

世界的には近視進行原因は特定されていませんが、

*近方視時間が長くなり、焦点位置が網膜よりも後ろにいく(調節ラグ)が発生することで、
 ピントボケを解消するために、眼軸長が伸びること(網膜上に焦点を持ってこようとする)

*外遊び時間の減少していること(=近方視時間の増加につながる)

が有力とされています。

 

様々な要因で、物理的に焦点の位置が網膜より前に変わること=近視になってしまうので、

これをトレーニングで・・・というのは、難しいと理解していただけるかと思います。

 


 近方視(手元30cm以内を見る作業)が長くなることで、水晶体が過度に働き、

ピントの位置が近視化してしまうことがあります。(遠方視時に水晶体が一時的にもとに戻らなくなる状態)

これを仮性近視といいます。

この過度な調節をゆるめるためには、輻輳(より目)開散(離し目)の目の前後運動が必要で、

固まった筋肉を柔軟にコントロールすることが大切です。

そういう意味では、ビジョントレーニングが有効な場合もあります

 

また、眼科では仮性近視に対して、軽い調節麻痺剤を処方されたり、

ワック5000という機械をのぞき、調節負荷をかけ、輻輳開散運動を促す、という方法もあります。※効果には個人差があります

 


しかし、これも時間の問題と感じるケースが多いです。

近視が少しでも見つかれば、早めにメガネを常用することをおすすめしますが、

上記の様に、仮性近視が疑われる場合は様子見になることもしばしば。。

学校の視力検査でC〜Dになるまで様子見になっているパターンをよく見受けられます。

みなさまがお気づきのように、一度取り込んでしまった近視が治ることは難しい。日本近視学会公式HP【FAQ】参照 


学校検診は1年に一度。

子どもの1年の成長は著しいので
眼科で様子見と言われた場合には、3〜6ヶ月後にもう一度、受診しましょう。


学校検診等で近視に早く気付けたのなら、

第一選択はビジョントレーニングではなく、眼科でしっかり眼の状態を診てもうこと。

それから、ひとりひとりに合った近視のアプローチを検討・実行する必要があります。


わたし達はメガネ屋さんなので、薬やコンタクトレンズでのアプローチは出来ませんが、

近視の子どものためのメガネレンズ【ZEISSマイオキッズレンズ】をおすすめしています。マイオキッズレンズ公式HPはこちら


レンズ上部に遠方がクリアに見えるように設計されています。
(アイックスでは、適矯正を推奨しております)

レンズ下部に近方の見え方をサポートします。

メガネを掛け外しすることなく、板書など(遠く⇔近く)の作業がスムーズにできるレンズ設計になっています。

 

取り扱い店舗が少数のため
ご相談はぜひEYEX’(アイックス)へ★

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他にも、ご家庭でできることがあります。
生活習慣も要因のひとつ。
これらに気をつけて生活してみてはいかがでしょうか。

生活習慣改善による近視のアイケア
ZEISSマイオキッズパンフレットより

 

1|屋外で活動する機会をつくる

屋外で活発に活動する子どものほうが、近視が進行するリスクが低いという研究結果があります。毎日少なくとも1時間は屋外で活動する機会をつくることをおすすめします。

 

2|UVから目を保護する

屋外での活動時、子どもの目をUVから保護することを忘れないでください。透明なメガネレンズでも100%UVカットレンズを選びましょう。

 

3|デジタル機器は適切な距離で

デジタル機器から最適な距離をとることと姿勢をよくすることは背中にも目にも良いことです。

アイックスおすすめ:あいうべ体操
舌位置が正しい位置にあることで、頭部の位置を正しい位置に保持してくれます。
それにより、骨盤の位置も良くなります。姿勢と見方のクセについてはこちら

4|適度な休憩をとる

読書やパソコンなどの近距離での作業中、30分に1回、2分程度の休憩をとることが重要です。休憩中に遠くを眺めるようにしましょう。

 

5|健康的な食事をとる

栄養素は視覚システムの正常な発達に影響を与えます。
アイックスおすすめ:藤川徳美著 「うつ消しごはん」

6|十分な睡眠をとる

睡眠は体と神経エネルギーの回復にとって重要です。睡眠不足は疲労やストレスの原因となり、視覚を含む日常生活の活動に影響を及ぼします。

 

7|照明環境に気をつける

適切な照明は、読書や学習から遊びまで、あらゆる活動において必須です。照明環境に気を配り、子どもが十分な明るさの照明の下で活動できるようにしましょう。可能な限り、自然光を利用することをおすすめします。

アイックスおすすめ:カネカ タスクライト・読書灯

それでは、みなさま、素敵な夏休みをお過ごしください〜〜✩★✩

以下の日程で夏季休業を頂戴いたします。何卒、ご了承くださいませ。

福岡店:8月13(金)〜15(日)

銀座店:8月10(火・定休)〜14(土)

 

 

この記事を書いたスタッフ

視能訓練士ちひろ

視能訓練士ちひろ

[プロフィール]
ZEISS VISION CENTER 銀座 店長
2013年 視能訓練士取得。趣味は人間観察。